身に覚えのない請求や口座引き落としが発覚し、焦るケースは少なくありません。

そんな場合に絶対にしてはいけないことや、すぐにすべきことがあります。

それらの情報を知らないことで、最悪の場合は身に覚えのない借入の返済を拒否できなくなります。

当記事では、身に覚えのない請求とはどのようなケースなのか、対処法や再発防止を解説していきます。

身に覚えがないカードローンの請求があるケースとは?

銀行やカードローン業者などで提供されているカードローンは契約者本人以外の者が利用することは原則禁止となっています。

しかし、カードローンの利用者の中には記憶にない借入の返済を請求された方が少なくありません。

これは俗に「なりすまし借入」と呼ばれている詐欺行為のひとつです。

本人しか利用できないはずのキャッシングサービスをなぜ他人が使えるのでしょうか?

そこには不可能を可能にする巧妙な詐術が隠されていました。

別の人間がカード契約者本人になりすますことでサービスを利用するのです。

どのような手口なのか、具体的にひとつずつ見ていきましょう。

なりすまし借入の4大手口

  1. 別人に成りすまして契約から借入まで行われるケース
  2. 自分名義のカードローン専用カードが盗まれて、借入がされたケース
  3. 友人にカードローン専用カードや保険証を貸してなりすまし借入が行われたケース
  4. 家族に身分証明書を無断使用され作られたカードで借入されるケース

それぞれの手口を詳しく解説していきましょう。

1.別人に成りすまして契約から借入まで行われるケース

別人に成りすましてカードローンを契約し、借入を行うパターンです。

実際に、盗難された運転免許を悪用されて自分名義のカードローンを他人に作られる事例が過去にありました。

運転免許は顔写真が掲載されていますから、なりすましは困難と思われますが組織的な犯罪グループには免許証偽造のノウハウを持つところもあります。

しかし、会社への在籍確認はどう突破したのでしょうか?

これはおそらく職業を自営業として申請したのだと思われます。

自営業であれば在籍確認の電話は申請者が確かな定期収入を得ているかどうかを判断するものに変わりますから、なりすましが発覚する可能性は低くなります。

また、複数の共犯者がいて偽りの職場を演じていた可能性もあります。

身分証明書を紛失した場合には注意したいなりすましですが、このケースの借入に対する返済請求は拒否することができます。

2.自分名義のカードローン専用カードが盗まれて、借入がされたケース

カードローン用のカードの盗難に遭って、それを放置しているとなりすまし借入の被害に遭う可能性があります。

本来ならカードだけ盗まれても暗証番号があるので簡単には悪用されません。

カードのICに収められるデータの中にも暗証番号に関するデータは入っていないのでハックされても、なりすまし借入されることはありません。

そのため紛失または盗まれたカードで借入される場合は、暗証番号も盗まれている可能性が高いのです。

ATMでカードローンを利用する際に後ろに怪しい人物が張り付いていたか、ATMの周囲に隠しカメラが設置されていた可能性があります。

このケースではさらに恐ろしいことがあります。

カードを使い正しい暗証番号を入力して借入をした場合、それは本人が行ったものとみなされるのです。

つまりこのケースでは身に覚えがない借入の返済請求を拒否することが大変難しいのです。

拒否するためには自分が借入してないことを証明する必要がありますが、個人にそれは難しいでしょう。

3.友人にカードローン専用カードや保険証を貸してなりすまし借入が行われたケース

先述したとおり、カードローン専用カードだけで本人になりすまして借入することはできません。

暗証番号が必要になりますが、友人の場合はその番号を予測できる場合があります。

例えば本人が全てのサービスにおいて4桁のパスワードに同じ数字を使っていることを知っていれば暗証番号を突破するのは容易いでしょう。

また本人のアパートなどで暗証番号やパスワードをまとめた手帳を見ているケースも考えられます。

暗証番号を知られてしまったら、カードを使ったなりすまし借入は簡単です。

そして、正式な契約で取得されたカードを使った借入ですから返済請求を拒否することは難しいです

また、友人が本人の保険証を利用して、銀行や消費者金融のカードローンの契約をし借入される可能性も心配する必要があります。

顔写真の付いていない保険証であればリスクは低いですが、写真付きの社会保険証や組合保険証だと契約される可能性があります。

しかし不正な契約により得られたカードを使った借入なので返済請求は拒否できます

4.家族に身分証明書を無断使用され作られたカードで借入されるケース

家族が本人になりすましてカードローンに契約して借入をするのは昔からよくある話です。

家族ですから本人の各種証明書を取得するのに難しいところはありませんので、拍子抜けするほど簡単に家族名義の契約ができてしまいます。

本人が気づくのは銀行の残高明細を見たときでしょう。

注意したいのは、不正な契約でありながら返済請求を拒否できない点です。

もしこのケースで返済を拒否できたら、夫婦が共謀して返済義務から逃れることができますから認めないのも当然です。

以上の4つの手口が主ななりすまし借入で実行されています。

  • 別人に成りすまして契約から借入まで行われるケース
    →返済請求は拒否できる
  • 自分名義のカードローン専用カードが盗まれて、借入がされたケース
    →返済請求の拒否は難しい
  • 友人にカードローン専用カードや保険証を貸してなりすまし借入が行われたケース
    →返済請求が拒否できるかどうかはケースによる
  • 家族に身分証明書を無断使用され作られたカードで借入されるケース
    →返済請求の拒否は難しい

続いては、何故なりすまし借入が実行されているのかを解説していきます。

 

何故なりすまし借入が実行されるのか?

なりすまし借入を行う動機は様々ありますが、自分名義で借入れできないのが理由のひとつです。

すでに限度額一杯まで借入しているために、新たに借入するには別のカードが必要になります。

自分の名義では契約できないので他人の名義で作ろうとします。

他人になりすまして契約を結ぶ行為は詐欺罪にあたる立派な犯罪です。

カードローン業者は罪に問うことができる行為であると認識する必要があります。

  • 自分名義で借入できないためになりすまし借入が実行されている
  • なりすまし借入は立派な犯罪です

 

カードローン専用カードが盗まれた場合の対処法

カードが盗まれたことを確認したらすぐにカードローン業者に盗難被害の報告をします。

これでカードの利用をストップする処置がとられ、不正利用されることは無くなります

さらに警察署でカードの盗難届を出しましょう。

自分は被害者であることを公の記録に残すことで、後で訴訟になった場合に利用できる証拠となります。

  • カードローン業者にカードが盗難されたことを報告する
  • カードの利用をストップしてもらう
  • 警察署にカードの盗難届を出して記録に残しておく

 

注意点

身に覚えがない借入に対して絶対やってはいけないことは、その借入分の返済することです。

1円でも返済してしまうと、その借入は自分がやったものだと認めてしまうことになります。

これは「追認」と呼ばれる行為で、支払いの遅滞を嫌ってその一部でも返済してしまうと全額支払う義務が発生します。

借りた覚えのないお金は絶対に返済しないでください。

また、仲の良い友人だからといって自身の保険証を貸すことは絶対にNGです。

平成18年10月からの法律改正で写真が付いてない健康保険証だけでは本人確認できないようになりましたが、保険証のタイプによっては、それだけで本人確認が済んでしまう業者もあります。

保険証を貸す行為にはリスクがあるとしっかり認識しましょう。

  • 身に覚えのない借入に対して絶対に返済をしてはいけません
  • 一部でも返済すると全額返済する義務が発生することを追認と言われています
  • どんなに親しい友人でも保険証を貸すのは絶対にNGです

 

対処方法は?

なりすまし借入に気づいたら迅速に対応するのが肝心になります。

対応が送れることで対策が打てなくなったり、今後の借入に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

不慣れな作業が続くことになりますが、被害を大きくしないために次に紹介する対処法を確実にこなしましょう。

なりすまし借入の対処法

  1. 業者に問い合わせをしてなりすまし借入であることを伝える
  2. 内容証明で調査を依頼する
  3. 警察に被害届を出す
  4. カードローン業者に情報開示を依頼する
  5. 信用情報を確認し、他のなりすまし借入がないか確認する
  6. 信用情報の記録からなりすまし借入の記録を削除してもらう

それぞれを解説します。

1.業者に問い合わせをしてなりすまし借入であることを伝える

なりすまし借入を確認したらまず最初にやるべきことは契約しているカードローン業者に不正な借入があったことを伝えることです。

即時カードの利用が停止され、インターネット借入など他の借入サービスも全てブロックされますから今以上の借入被害に遭う心配が無くなります。

そして重要なのは今後の対応策についてアドバイスを貰うことです。

業者から今後やるべき処置について色々教えてもらえるので、それに従って行動しましょう。

2.内容証明で調査を依頼する

業者によってはこちらの事情を配慮することなく返済催告を続けるところもあります。

そのため「自分が借りたのではない」ことと「返済の意志が無い」ことを業者に明確に伝える必要があります。

これは内容証明を使って行うことができます。

内容証明とは郵便局で提供しているサービスです。

書面の内容と送り手と受け手を記録して、メッセージのやり取りがあったことを証明してくれます。

内容証明郵便に先の内容を書いて業者宛に送ることで、後で訴訟に発展した場合に証拠として使うことができます。

3.警察に被害届を出す

自分は被害者であることをカードローン業者に強くアピールするためにも忘れずに警察に被害届を出しましょう。

これによって業者が本件について調査することを促すことができます。

その中で本人確認処理に不備が判明すれば返済の催告を停止することもありえます。

相手が闇金の場合には出方を伺うのは止めて、国民生活センターもしくは消費者金融に強い弁護士に相談して助言を貰うのが賢明です。

4.カードローン業者に情報開示を依頼する

全てのなりすまし借入を把握するためには、カードローン業者に加盟する信用機関に個人の信用情報の開示を請求するよう申し出る必要があります。

この信用情報には借入の日時と借入額に関する情報に加えて、申込書や本人確認に使った証明書なども添付されています。

特に申込書は筆跡の確認など、後に訴訟に発展した際に利用できる資料となりますから大事に保管しましょう。

5.信用情報を確認し、他のなりすまし借入がないか確認する

業者から信用情報が送られてきたら、他のなりすまし借入がないか確認しましょう。

なりすまし借入があった場合は、その借入をしている業者にも自分の借入ではないことを説明し、返済の請求をしないよう伝えましょう。

6.信用情報の記録からなりすまし借入の記録を削除してもらう

調査の結果、借入がなりすましであったと認められたなら信用情報機関に対してなりすまし借入に関する情報の訂正もしくは抹消を請求しましょう。

なりすましであっても個人信用情報に未払いの借入が記載されていると後の借入に悪影響が及びます。

特に住宅ローンなど重要な借入ができなくなる可能性もあるので確実に処置する必要があります。

以上がなりすまし借入に対する対処法です。

被害者なのに自分で対処しなければならないのは大変だと思いますが、必ず迅速に確実に行いましょう。

  • なりすまし借入に対する対処は迅速に行いましょう
  • 6つの対処法を必ず行いましょう

 

今後の再発防止方法

なりすまし被害の件数が減少しないためか、先述したとおり平成18年になって本人確認に関する法律が厳しくなりました。

それでも、なりすまし借入は手を変え品を変え続くと思われます。

カードローン利用者が自ら細心の注意を払うことが重要であることはこれからも変わりません。

特に各種身分証明書の取り扱いには注意しましょう。

外では常に肌身離さず身に着けて、自分以外の人間には触らせないようにすべきです。

証明書の中でも顔写真の付いているものは要注意です。

鍵をかけられる保管場所に入れておくのが望ましいでしょう。

また証明書の写真をスマホなどに保存しておくのも止めるべきです。

運転免許証などはコピー以外にもスマホで撮影した写真でも本人確認書類として有効に使えてしまいます。

何かの申請で免許証を撮影したのなら、申請後にすぐスマホから削除しましょう。

加えてカードローンの暗証番号は予測が難しいものに変えましょう。

定番の電話番号や誕生日は論外として、車のナンバーや身長などもSNSに何気なく掲載してしまう情報なので避けるのが無難です。

  • 各種身分証明書は厳重に保管すること
  • スマホなどに保存しておくのは危険
  • 暗証番号は予測ができないものにすること

 

まとめ

当記事の内容をまとめます。

  • カードローンの契約者本人以外が借入することをなりすまし借入と言います
  • なりすまし借入の4大手口
    1. 別人になりすまして契約から借入まで行うケース
    2. 自分名義のカードローン専用カードが盗まれて借入されるケース
    3. 友人にカードローン専用カードや保険証を貸してなりすまし借入が行われたケース
    4. 家族に身分証明書を無断使用されたケース
  • ケースによって返済請求が拒否できるかどうか異なる
  • 自分名義の借り入れができない人物がなりすまし借入を行う
  • なりすまし借入は立派な犯罪
  • カードが盗難された場合、カードローン業者にすぐに報告すること
  • カードの利用をすぐにストップしてもらいましょう
  • 警察署の盗難届も提出して、公的な記録を残しましょう
  • 身に覚えのない借入に対して絶対に返済をしてはダメです
  • 一部でも返済をすると全額返済する義務が発生します
  • どんなに親しい友人にも保険証を貸すのはNGです
  • なりすまし借入に対する対処は迅速に行いましょう
  • 6つの対処法を必ず行いましょう
  • 身分証明書は厳重に保管しましょう
  • スマホに身分証明書の写真を保存するのは危険です
  • 暗証番号は予測できないものに

当記事の内容を理解してなりすまし借入を防ぎましょう。

しかしどんなに気を付けていても、プロ集団に狙われた場合はなりすまし借入が成立してしまう場合があります。

常に口座の引き落としに不可解な点がないか確認し、なりすまし借入の被害にあっても落ち着いて対処して解決しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。